○東洋町住民投票条例

平成19年6月26日

条例第10号

(目的)

第1条 この条例は、町政運営上の重要事項に係る意思決定について、町民による直接投票(以下「住民投票」という。)の制度を設けることにより、これによって示された町民の総意を町政に的確に反映し、もって公正で民主的な町政の運営を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「町政運営上の重要事項」とは、町が行う事務のうち、町民に直接その賛否を問う必要があると認められる事項であって、町及び町民全体に直接の利害関係を有するものをいう。ただし、次に掲げる事項を除く。

(1) 町の権限に属さない事項

(2) 議会の解散その他法令の規定に基づき住民投票を行うことができる事項

(3) 専ら特定の町民又は地域にのみ関係する事項

(4) 町の組織、人事及び財務に関する事項

(5) 前各号に定めるもののほか、住民投票に付することが適当でないと明らかに認められる事項

(住民投票の請求及び発議)

第3条 公職選挙法(昭和25年法律第100号。以下「公選法」という。)第19条に規定する選挙人名簿の登録が行われた日において当該選挙人名簿に登録されている者は、町政運営上の重要事項について、その総数の5分の1以上の者の連署をもって、その代表者から、町長に対して書面により住民投票を請求することができる。

2 前項に規定する署名に関する手続等は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「自治法」という。)第74条第6項から第8項まで、第74条の2第1項から第6項まで及び第74条の3第1項から第3項までの規定の例によるものとする。

3 町議会は、議員の定数の3分の1以上の者の賛成を得て議員提案され、かつ、出席議員の過半数の賛成により議決された町政運営上の重要事項について、町長に対して書面により住民投票を請求することができる。

4 町長は、町政運営上の重要事項について、自ら住民投票を発議することができる。

5 町長は、第1項の規定による町民からの請求(以下「町民請求」という。)若しくは第3項の規定による議会からの請求(以下「議会請求」という。)があったとき、又は前項の規定により自ら住民投票を発議したときは、直ちにその要旨を公表するとともに、東洋町選挙管理委員会(以下「選挙管理委員会」という。)にその旨を通知しなければならない。

6 町長は、住民投票に係る町民請求又は議会請求があったときは、その請求の内容が前条各号の規定に該当する場合を除き、住民投票の実施を拒否することができないものとする。

(条例の制定又は改廃に係る町民請求の特例)

第4条 条例の制定又は改廃に係る町民請求は、自治法第74条第1項の規定による条例の制定又は改廃の請求を行った場合において、同法第3項の結果に不服があるときについてのみ行うことができる。

(住民投票の形式)

第5条 第3条に規定する町民請求、議会請求及び町長の発議(以下「町民請求等」という。)による住民投票に係る事案は、二者択一で賛否を問う形式のものとして請求又は発議されたものでなければならない。

(住民投票の執行)

第6条 住民投票は、町長が執行するものとする。

2 町長は、自治法第180条の2の規定に基づき、協議により、その権限に属する住民投票の管理及び執行に関する事務を選挙管理委員会に委任するものとする。

(選挙管理委員会の事務)

第7条 選挙管理委員会は、前条第2項の規定により委任を受けた住民投票の管理及び執行に関する事務を行うものとする。

(投票資格者)

第8条 住民投票の投票権を有する者(以下「投票資格者」という。)は、公選法第9条第2項に規定する町議会の議員及び町長の選挙権を有する者とする。

(投票資格者名簿の調製等)

第9条 選挙管理委員会は、住民投票に係る投票資格者について、投票資格者名簿を調製するものとする。

2 選挙管理委員会は、前項の投票資格者名簿の調製について、公選法第19条から第30条までに規定する選挙人名簿の調製をもってこれに代えることができる。この場合において、同法第27条第1項に規定する表示をなされた者は、投票資格者名簿に登録されていないものとみなす。

(住民投票の期日)

第10条 住民投票の期日(以下「投票日」という。)は、第3条第5項の規定による通知のあった日から起算して30日を経過した日から90日を超えない範囲内で、選挙管理委員会が定めるものとする。

2 選挙管理委員会は、前項により定めた投票日その他必要な事項を当該投票日の5日前までに告示しなければならない。

(投票所等)

第11条 投票所及び第16条に規定する期日前投票の投票所(以下「期日前投票所」という。)は、選挙管理委員会の指定した場所に設ける。

2 選挙管理委員会は、投票所については投票日の5日前までに、期日前投票所については前条第2項の規定による告示の日(以下「告示日」という。)にその場所を告示しなければならない。

(投票資格者名簿の登録と投票)

第12条 投票資格者名簿に登録されていない者は、投票をすることができない。ただし、住民投票と同時に公選法に基づく選挙が行われた場合において、同法第42条第1項ただし書の規定により投票した者(その投票した日において町内に住所を有している者に限る。)については、当該住民投票の投票をすることができる。

2 投票資格者名簿に登録された者であっても、投票資格者名簿に登録されることができない者であるときは、投票をすることができない。

(投票資格者でない者の投票)

第13条 投票日の当日(公選法第48条の2の規定による投票にあっては、投票の当日)、選挙権を有しない者は、投票をすることができない。

(投票の方法)

第14条 住民投票は、1人1票の投票とし、秘密投票とする。

2 住民投票の投票資格者である投票人(以下「投票人」という。)は、住民投票の事案に賛成するときは、投票用紙の賛成欄に、反対するときは投票用紙の反対欄に自ら○の記号を記載しなければならない。

3 前項の規定にかかわらず、身体の故障その他の理由により、自ら投票用紙に○の記号を記載することができない投票人は、投票管理者に申請し、代理投票をすることができる。

(投票所においての投票)

第15条 投票人は、投票日の当日、自ら投票所に行き、投票資格者名簿の抄本の対照を経て、投票をしなければならない。

(期日前投票等)

第16条 投票人は、前条の規定にかかわらず、規則で定めるところにより期日前投票又は不在者投票を行うことができる。

(無効投票)

第17条 次に掲げる投票は、無効とする。

(1) 所定の投票用紙を用いないもの

(2) ○の記号以外の事項を記載したもの

(3) ○の記号のほか、他事を記載したもの

(4) ○の記号を投票用紙の賛成欄及び反対欄のいずれにも記載したもの

(5) ○の記号を投票用紙の賛成欄又は反対欄のいずれに記載したのか判別し難いもの

(6) 白紙投票

(情報の提供)

第18条 選挙管理委員会は、告示日から投票日の2日前までに、住民投票に係る請求又は発議の内容の趣旨及び第10条第2項に規定する告示の内容その他住民投票に関し必要な情報を広報その他適当な方法により、投票資格者に対して提供するものとする。

2 町長は、告示日から投票日の前日までの間、住民投票に係る請求又は発議の内容を記載した文書の写し及び請求又は発議の事案に係る計画案その他行政上の資料で公開することができるものについて、一般の縦覧に供するものとする。

3 前2項に定めるもののほか、町長は、必要に応じて公開討論会、シンポジウムその他住民投票に係る情報の提供に関する施策を実施することができる。

(投票運動)

第19条 住民投票に関する投票運動は、自由とする。ただし、買収、強迫等市民の自由な意思が拘束され、又は不当に干渉されるものであってはならない。

(住民投票の成立要件等)

第20条 住民投票は、1の事案について投票した者の総数が当該住民投票の投票資格者数の2分の1に満たないときは、成立しないものとする。この場合は、開票作業その他の作業は行わない。

(投票結果の告示等)

第21条 選挙管理委員会は、前条の規定により住民投票が成立しなかったとき、又は住民投票が成立し、投票結果が確定したときは、直ちにこれを告示するとともに、当該告示の内容を町長に報告しなければならない。

2 町長は、町民請求に係る住民投票について、前項の規定により選挙管理委員会から報告があったときは、その内容を直ちに当該町民請求に係る代表者に通知しなければならない。

3 町長は、議会請求に係る住民投票について、第1項の規定により選挙管理委員会から報告があったときは、その内容を直ちに町議会議長に通知しなければならない。

(投票人以外の住民の意思の把握)

第22条 町長は、住民投票を実施する場合において、投票人以外の者で町に住所を有するもののうち、次に掲げる者の当該住民投票に係る事案に関する賛否の意思について、別に規則で定めるところにより、その把握に努めるものとする。

(1) 年齢満18歳及び19歳の日本国籍を有する者で、その者に係る町の住民票が作成された日(他の市町村から住所を移した者で住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)第22条の規定により届出をしたものについては、当該届出をした日)から引き続き3月以上町の住民基本台帳に記録されている者

(投票結果の尊重)

第23条 町議会及び町長は、住民投票の結果及び前条により把握された意思を尊重しなければならない。

(町民請求等の制限期間)

第24条 この条例による住民投票が実施された場合(第20条の規定により住民投票が成立しなかった場合を除く。)には、その結果が告示されてから2年が経過するまでの間は、同一の事案又は当該事案と同旨の事案について町民請求等を行うことができないものとする。

2 前項の規定は、第3条第3項及び第4項による住民投票が実施された場合も同様とする。

(投票及び開票)

第25条 前条までに定めるもののほか、投票時間、投票場所、投票立会人、開票時間、開票場所、開票立会人、期日前投票、不在者投票その他住民投票の投票及び開票に関しては、公選法、公職選挙法施行令(昭和25年政令第89号)及び公職選挙法施行規則(昭和25年総理府令第13号)並びに公職選挙法及び同法施行令執行細則(昭和31年選管告示第2号)の規定の例による。

(委任)

第26条 この条例に定めるもののほか、住民投票に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

(平成24年12月13日条例第17号)

この条例は、公布の日から施行する。

東洋町住民投票条例

平成19年6月26日 条例第10号

(平成24年12月13日施行)