○野根川清流保全条例

平成16年3月15日

条例第11号

第1章 総則

(趣旨)

第1条 この条例は、野根川の清流を次世代に守り残すため、河川管理者の行う清流保全対策と相まって、町長、事業者及び町民のそれぞれの役割を明らかにするとともに、野根川の清流保全対策と流域の環境等の愛護に関する必要な事項を定めるものとする。

(清流保全の基本理念)

第2条 この条例において清流とは、流水と流水の源である森林保全とそれに伴う自然環境が良好な状態で保持され、生物の生息に最も適した流水の状態をいう。

2 清流を守るための施策は、町民の参加、協力並びに理解に基づき行われるものとする。

3 清流を守るための施策を進めるにあたっては、町民の諸活動並びに治水及び利水との調和を図り、将来にわたって良好な水質を保全し、豊かで快適な流域の環境を創造するものとする。

(定義)

第3条 次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 野根川 東洋町に存する河川法(昭和39年法律第167号)第5条第1項の規定により指定された野根川水系及び同水系に接続する河川、公共溝渠、かんがい用水路並びにその他公共の用に供される水路を対象としていう。

(2) 生活排水 町民の日常生活に用いられる住居、事務所及び店舗等から排出される全ての排水をいう。

(3) 浄化に必要な装置 野根川に排出される排水の浄化に効果のある装置で具体的に規則で定めるものをいう。

(4) 野根川自然環境愛護区域 野根川流域において優れた自然環境を有し、河川法に定める河川区域及び河川保全区域を除く町長の指定する区域をいう。

(町長の役割)

第4条 町長は、野根川の清流を守るため、野根川清流保全対策基本方針を策定し、この基本方針に基づいて、総合的な施策を実施しなければならない。

(町民の役割)

第5条 町民は、野根川の清流を守るため自ら努力するとともに、町長が実施する施策に可能な範囲で協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、野根川の清流を守るため、常に最大限の努力をするとともに、町長が実施する諸施策に可能な範囲で協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、その事業活動により生じる廃棄物及び排水の適正な処理並びに公害の防止に努め、野根川の清流を損なわないよう自らの責任と負担において、必要な措置を講じなければならない。

(連携及び協力)

第7条 町長、町民及び事業者は連携を図り、野根川の清流を守るための必要な活動を協力して行うものとする。

(関係行政機関への協力要請等)

第8条 町長は、野根川の清流を守るため、必要に応じ国、県及びその他関係地方公共団体に対し協力を要請するものとする。

(啓発活動及び助言)

第9条 町長は、野根川の清流を守るための知識の普及及び町民意識の高揚を図るとともに、自主的活動の助長並びに育成に努めるものとする。

2 町長は、町民及び事業者が行う野根川の汚濁防止のための施設の整備について、必要な助言又は指導を行うことができる。

第2章 野根川清流保全対策基本方針

(基本方針)

第10条 町長は、野根川の清流を守るため、流域における汚濁負荷量の削減等に関する野根川清流保全対策基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。

2 前項の基本方針には次に掲げる事項を定めるものとする。

(1) 水質の保全に関する事項

(2) 環境の保全と利用の調和に関する事項

(3) ゴミ対策に関する事項

(4) 自然とのふれあいの場の保全と創造に関する事項

(5) 森林の保全に関する事項

(6) 前各号に定めるものの他、野根川の清流を守るために必要な事項

3 町長は、基本方針の決定又は変更に当たっては、あらかじめ河川管理者と協議すると共に、野根川清流保全審議会の意見を聴かなければならない。

第3章 汚濁及び環境対策

第1節 野根川沿川の美化及び浄化

(沿川の美化及び浄化)

第11条 町民等は、自ら野根川沿川の美化及び浄化に努めなければならない。

(美化及び浄化活動の助成)

第12条 町長は、町民が行う野根川沿川の美化及び浄化活動を支援し、予算の範囲内において助成を行うことができる。

第2節 排水の汚濁防止

(生活排水の浄化)

第13条 町民は、生活排水を野根川に排出しようとするときは、排水の浄化に有効な装置を設置して排出するよう努めなければならない。

2 町民は、野根川の水質悪化を招く生ゴミ粉砕器その他これに類する器具を用いて処理した排水を直接排出してはならない。

3 町民は、野根川の水質汚濁防止のため、洗濯用洗剤及び洗濯用石鹸の使用量を減らすよう努めるものとする。

4 町長は、野根川の水質汚濁防止のため、事業を積極的に推進するものとする。

(浄化装置の助成)

第14条 町長は、浄化装置の設置を促進するため、町民に対し予算の範囲内において助成を行うことができる。

(肥料等の適正使用)

第15条 野根川流域の田畑において、肥料又は農薬を使用する者は、適正に使用し、野根川の水質を汚濁しないよう努めなければならない。

(家畜のふん尿の適正処理)

第16条 野根川流域において、畜産業を営む者は、河川法施行令第16条第4項により、家畜のふん尿を野根川に直接排出してはならない。

2 野根川流域において、畜産業を営む者は、家畜のふん尿処理施設の設置に努めるとともに、土壌還元方法等により適正に処理をしなければならない。

(工場等の役割)

第17条 工場又は事業所は、事業活動に伴う排水を野根川に排出しようとするときは、次の各号に掲げる排水基準に適合しなければならない。

(1) 色又は濁り

(2) 排水温度

(3) 臭気

(4) 有害物質

(特定施設の管理)

第18条 水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)に定める特定施設を設置する工場又は事業所の管理者は、設置後の維持管理を適正に行い、排水の水質悪化を防止しなければならない。

第3節 自然環境の対策

(景観の保持)

第19条 事業者は、その事業活動により、野根川の清流を損なうことのないよう努め、自然景観を保持するため、植生の回復及び緑地の造成等の措置を講じなければならない。

(野根川自然環境愛護区域)

第20条 町長は、野根川の優れた自然環境を愛護するため、野根川自然環境愛護区域(以下「愛護区域」という。)を指定することができる。

2 町長は、愛護区域の指定をしようとするときは、河川法に規定する河川区域及び河川保全区域を除外するとともに、あらかじめ野根川清流保全審議会の意見を聴かなければならない。

3 町長は、愛護区域の指定をしようとするときは、規則で定めるところによりその旨を公告し、その案を当該公告の日から14日間公衆の縦覧に供しなければならない。

4 前項の規定による公告があったときは、当該区域に係る住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された案について、町長に意見書を提出することができる。

5 町長は、前項の規定により縦覧に供された案について異議ある旨の意見書の提出があったときは、公聴会を開催するものとする。

6 町長は、愛護区域を指定したときは、これを告示しなければならない。

7 第2項から第6項の規定は、区域の変更及び解除について準用する。

(行為の届け出)

第21条 愛護区域において、次の各号に掲げる行為をしようとする者は、規則で定めるところにより、あらかじめ町長にその旨を届け出なくてはならない。

(1) 建築物その他の工作物を新築、増改築し、又は、移転すること。

(2) 宅地を造成、土地を開墾し、土石、砂利の採取その他土地の形質を変更すること。

(3) 前各号に掲げるもののほか、愛護区域の自然環境に影響を及ぼす恐れのある行為で町長が定めるもの

2 次の各号に掲げる行為については、前項の規定は適用しない。

(1) 非常災害のために必要な応急措置として行う行為

(2) 国又は地方公共団体による行為

(3) 土地所有者又は地区の共同作業として行う一般的な管理行為

(4) 河川法その他の法令に基づく行為

(5) 前各号に定めるもののほか、自然環境に影響を及ぼす恐れがないもので、町長が定めるもの

(行為の変更届)

第22条 前条第1項の届出をした者が、届出をした事項に変更を生じたときは、速やかにその旨を町長に届け出なければならない。

(指導勧告)

第23条 町長は、第21条第1項の規定による届出があった場合において、愛護区域の目的を達成するため必要があると認めるときは、当該届出をした者に対して、計画の変更若しくは改善を指導し、又は勧告をすることができる。

(愛護協定の締結)

第24条 町長は、愛護区域の保全に特に必要と認める場合、当該区域内において旅館、飲食店等の営業をしようとする者及び事業活動に伴う汚水を排水しようとする者と、周辺環境並びに水質の保全のため必要な事項を内容とする協定(以下「愛護協定」という。)を締結することができる。

2 前項に該当する事業者は、愛護協定を町長と締結するよう努めなければならない。

3 第1項の規定により愛護協定を締結した事業者は、これを忠実に履行しなければならない。

第4章 諮問機関の設置

(野根川清流保全審議会)

第25条 この条例により、第10条第3項及び第20条第2項に規定する事項を審議するほか、町長の諮問に応じ、野根川の清流に関する重要事項を調査審議するため、野根川清流保全審議会(以下「審議会」という。)をおく。

2 審議会は、野根川清流に関する重要事項について、町長に意見を述べることが出来る。

3 審議会は、委員11名以内で組織する。

4 審議会は、専門的事項を調査審議させるため、必要があるときは、特別委員若干名を置くことができる。

5 委員及び特別委員は、次の各号に掲げる者のうちから町長が委嘱し、又は任命する。

(1) 関係町民団体代表者

(2) 学識経験者

(3) 町議会議員

(4) 関係行政機関及び本町の職員

(5) その他町長が必要と認めた者

6 委員の任期は2年とする。ただし、委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

7 審議会に会長1人、副会長2人を置き、委員の互選によりこれを選出する。

8 審議会の運営に関し必要な事項は、会長が定める。

第5章 補則

(法令の順守義務)

第26条 町民及び事業者は、河川法、水質汚濁防止法その他の法令に定めのある規定基準を順守しなければならない。

(委任)

第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成16年4月1日から施行する。

野根川清流保全条例

平成16年3月15日 条例第11号

(平成16年4月1日施行)

体系情報
第8編 生/第4章 生/第2節 環境衛生
沿革情報
平成16年3月15日 条例第11号