○東洋町文化財保護条例

昭和41年7月1日

条例第13号

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、東洋町の区域内に所在する文化財を保存し、かつ、その活用を図り、もって町民の文化的向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例で「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で住民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)

(4) 貝づか、古墳、都城跡、城跡、旧宅その他の遺跡で歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りよう、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

(5) 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの(以下「伝統的建造物群」という。)

(適用除外)

第3条 この条例は、次に掲げる文化財については、適用しない。

(1) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)の規定により指定された文化財

(2) 高知県文化財保護条例(昭和36年高知県条例第1号)の規定により指定された文化財

(財産権の尊重)

第4条 教育委員会は、この条例の執行に当たって、関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。

第2章 有形文化財及び史跡名勝天然記念物

(指定)

第5条 教育委員会は、町の区域内に所在する有形文化財及び史跡名勝天然記念物のうち重要なものを東洋町保護文化財又は東洋町指定史跡名勝天然記念物(以下「指定文化財」と総称する。)に指定することができる。

2 前項の規定により指定をしようとする場合は、教育委員会は、あらかじめ所有者の意見を聴かなければならない。

(解除)

第6条 指定文化財が町の区域内に所在しなくなった場合及びその価値を失った場合その他特殊の事由があるときは、教育委員会はその指定を解除することができる。

(告示及び通知)

第7条 第5条第1項の規定による指定又は前条による解除をしたときは、教育委員会はその旨を告示し、かつ、所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。

(所有者又は所在の変更)

第8条 指定文化財の所有者が変更したときは、新所有者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 指定文化財の所有者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したとき、又は指定文化財の所在の場所を変更したときは、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(管理者)

第9条 教育委員会は、適当な団体等を指定して東洋町指定史跡名勝天然記念物の管理をさせることができる。

(滅失又はき損)

第10条 指定文化財が滅失し、又はき損したときは、所有者又は管理者は、速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。

(管理、修理又は復旧)

第11条 指定文化財が滅失し、き損し、又は衰亡するおそれがあると認めるときは、教育委員会は、所有者又は管理者に対し管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を勧告することができる。

2 指定文化財の管理、修理又は復旧につき多額の経費を要し、指定文化財の所有者が、その負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、教育委員会は、その経費の一部に充てさせるため、指定文化財の所有者に対し、補助金を交付することができる。

3 前項の補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理、修理又は復旧に関し必要な事項を指示することができる。

(現状変更)

第12条 指定文化財の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、その維持の措置をする場合は、この限りでない。

2 教育委員会は、前項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

3 第1項の許可を受けたものが前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は、現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為を停止し、又は許可を取り消すことができる。

(環境の保全)

第13条 教育委員会は、指定文化財の保存のため必要があると認めるときは、地域を定めて、一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができる。

(出品)

第14条 教育委員会は、指定文化財の所有者に対し、6箇月以内の期間を限って教育委員会の行う公開の用に供するため指定文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、管理、修理又は復旧につき補助金を交付した指定文化財の所有者に対し、6箇月以内の期間を限って教育委員会の行う公開の用に供するため当該指定文化財を出品することを命ずることができる。

3 教育委員会は、前2項の規定により指定文化財が出品されたときは、当該指定文化財の管理に任ずべき者を定めなければならない。

(調査)

第15条 教育委員会は、必要があると認めるときは、指定文化財の所有者又は管理者に対し、指定文化財の現状又は管理、修理若しくは復旧の状況につき報告を求めることができる。

2 教育委員会は、第5条第1項の規定による指定又は第6条の規定による指定の解除をしようとするとき、その他必要があると認めるときは、調査に当たる者を定め、所有者の同意を得て、指定文化財の所在する場所に立入り調査を行わせることができる。

3 前項の規定により立入り調査をする場合においては、当該調査に当たる者は、その身分を証明する証票を携帯し、関係者の請求があったときは、これを示さなければならない。

第3章 無形文化財

(無形文化財)

第16条 無形文化財のうち特に価値の高いもので、町が保護しなければ衰亡するおそれのあるものについては、教育委員会は、その保存に当たることを適当と認める者に対し、補助金を交付し、又は資材のあっ旋その他適当な助成の措置を講ずることができる。

2 教育委員会は、前項の規定による措置を受けた者に対し、2箇月以内の期間を限って、当該無形文化財の公開を命ずることができる。

この条例は、昭和41年7月1日から施行する。

東洋町文化財保護条例

昭和41年7月1日 条例第13号

(昭和41年7月1日施行)